Suhr Guitar/サー・ギターズ「CLASSIC PRO」 の弦高、テンションについて|ギタリストが使っている機材の解説

ギターを弾く上で「弾きやすさ」と「サウンド」のどちらを優先するかは重要です。弦高を下げると弾きやすくなるけど、音の響きやテンションに影響が出ることがあります。逆に、弦高を高めに設定するとサウンドの厚みは増しますが、左手の負荷が大きくなり、チョーキングや速弾きが難しくなることも。今回は、Suhrギターの弦高とテンションについて試行錯誤した経験をお話しします。

目次

Suhrの弦高調整の課題

僕は、ネックがほぼ真っ直ぐで、生音では巻弦が少しビビるくらいまで弦高を下げるセッティングが好みです。なので、ほとんどのギターはその状態にセットしています。でもSuhrのギターに関してはこの調整が上手くいかず、他のギターでは問題なく弾ける弦高でも、Suhrではローポジションや開放弦のビビりが酷く、ネックを軽い順反りにしても解決せず。結局、弦高をかなり高く設定しないとまともに弾けない状態でした。

この状態ではテンションが強すぎてチョーキングが辛く、左手にも大きな負担がかかります。いろいろ試行錯誤しましたが、自力での調整を諦め、最終的にメーカーにセットアップを依頼することにしました。

理想のセッティングを模索する

今回、メーカーには以下の条件でオーダーしました:

  • 弦のゲージは01~46
  • 弦高を可能な限り低く設定
  • テンションを柔らかめに調整
  • フローティングブリッジをギリギリ1音アームアップできるように設定

その間、楽器店で様々なギターを試奏し、弦高やテンション、ネックの状態、ナットの高さ、溝の深さ、ブリッジの角度などについても調べました。そして、Suhrの同じモデルのギターを試奏したところ、やはりテンションが強く、弦高もそれほど低くありませんでした。

店員さんによると、Suhrのギターは音鳴りを良くするための設計が施されていて、弦高を下げるのが難しいし、テンションも強いのが特徴らしい。また、ナットが高めに設定されているため、標準状態でも弦高が高くなりやすいとのこと。ネックシェイプもフェンダーよりレスポールに近い感触があると言われ、実際にその印象には納得しました。Suhrはストラトタイプでありながら、がっしりとしたボディの鳴りを持つギターなのです。

メーカー調整後のギター

メーカーから戻ってきたギターは、工場出荷時の状態とほぼ同じセッティングでした。テンションはやはり強めで、弦高も他のギターに比べると高め。しかし、生音の鳴りが大きく、チューニングの安定性も抜群でした。特にコードワークやカッティング、レガートフレーズでは、テンションの強さが逆に音の分離を良くし、結果として弾きやすいと感じることもありました。
意外だったのは、ピッキングの部分では弦高が高くテンションが強い方が弾きやすい。こうなると、自分自身の筋力アップも必要になってくる。

まとめ

最終的に、一つのギターを自分の理想に近づける調整をする中で、ギターそのものの特性を理解し、それに自分を適応させることが重要だと感じました。弾きやすさを求める一方で、サウンドや設計思想を尊重し、このバランスを取ること。
今回はSuhrのギターを通して、ギターのベストな状態に調整しながら、自分のプレイスタイルに合った調整するしかないと学んだ出来事だった。

<商品紹介―石橋楽器より>

フルサイズのクラシックボディにアルダーを採用し、伝統的なルックスとそのサウンドで王者に迫る『CLASSIC PRO』。直球勝負でヴィンテージスタイルの『Suhr』の心意気を堪能できる一本!
全世界からの数万にも及ぶカスタムオーダーをビッグデータとして活用した、Suhrのグローバル戦略ライン「Pro Series」。Custom Seriesと同様、カリフォルニア州レイク・エルシノアに置かれたファクトリー内で、卓越したクラフトマン達により、最上級のマテリアル、最新のテクノロジー、そして厳格なクオリティコントロールの下に生産されるニューグローバルモデルです。

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