今回はIbanez RG370ZBに搭載されている「Quantumピックアップ」についてです。ギターを選ぶ際、ピックアップが音の核を担う重要なパーツですが、このモデルのQuantumピックアップは非常にバランスが取れていて、幅広いジャンルに対応可能ですので、実際の使用感を交えながら、その特徴を解説しようと思います。
Quantumピックアップの特徴
Quantumピックアップは、Ibanezが開発したオリジナルピックアップで、音の粒立ちが良くて、幅広い表現が可能で、特に以下のような点が優れていると思います。
- 低音域: 音の輪郭が崩れにくく、力強さが保たれる。
- 高音域: キレが良く、音抜けが良い。
RG370ZBでは、ネック、ミドル、ブリッジに以下のピックアップが搭載されています。このH-S-HレイアウトはIbanezの定番構成で、幅広いジャンルの音楽に対応できます。
- ネックピックアップ: Quantum (H) ハムバッカー
- ミドルピックアップ: Quantum (S) シングルコイル
- ブリッジピックアップ: Quantum (H) ハムバッカー
SPLIT-5ワイヤリングで複雑な音作りが可能
RG370ZBには、SPLIT-5ワイヤリングが採用されていて、ハーフトーン時にネックやブリッジのハムバッカーが自動的にコイルタップされ、多彩なサウンドが出せます。
スイッチングの選択肢は、以下です。
- ネックハムバッカー
- ネックハムバッカー(タップ)+ミドルシングル
- ミドルシングル
- ブリッジハムバッカー+ミドルシングル
- ブリッジハムバッカー
この仕組で、クリーンサウンドからクランチ、リードトーンまで柔軟に対応可能です。
複雑な音作りが必要ないリハーサルでは、これだけでも十分カバーできます。
初期設定と調整ポイント
RG370ZBを購入した際にまず感じたのは、ピックアップの高さが少し高いなと。工場出荷時の設定だと歪みがやや強く感じたため、全てのピックアップを約2mm低く調整しました。この変更により、音の輪郭がさらに明瞭になり、少し落ち着いたトーンになりました。クリーンやクランチでも扱いやすく、ジャンルに応じたニュアンスを引き出しやすくなったように思います。
弦との相性
このギターには、**D’Addario EXL120 (009~042ゲージ)**が推奨されています。最初はちょっと軽く感じましたが、弦高を低めに設定するとスムーズな演奏ができて、Quantumピックアップとの相性も良好でした。速弾きスタイルには特に向いていると思います。
リードサウンドとボリュームコントロール
RG370ZBの魅力として、ボリュームコントロールによる音色変化のスムーズもあります。ボリュームを絞ることで高域や歪みが自然に減衰し、表現の幅が広がります。この特性のおかげで、アンプ直結でも柔軟にサウンドメイクが可能です。ピックアップの性能と相まって、ライブやリハーサルで重宝しています。
まとめ
Quantumピックアップは、シンプルながらも幅広い音作りが可能でとてもバランスの良いピックアップです。音の輪郭が保たれ、ジャンルを問わず使用できます。ピックアップの高さを調整するなど、少しの工夫でさらに自分好みのサウンドに近づけられると思います。