前回は、宅録のシステム導入までの流れをご紹介しましたが、今回は丁度コンピュータシステムを導入した、ギタリストの後藤晃弘君が家に遊びに来てくれたので、後藤晃弘君とのディスカッション形式で、コンピュータシステムの説明から、ギターの話まで紹介していきます。
OZA どういう感じで録音してるの?
後藤 クリックを最初に録って、ドラムを流し込んで、部分々録っていく感じなんですけど。
OZA じゃぁ直しはきかないってこと?
後藤 そうなんです。
OZA すごいねぇそれは。
後藤 シーケンサーで作ったものを、そのままProTools LEに録って。ほとんどMTR状態なんです。その辺がよく分からないんで。
OZA 大変だねそりゃ。でもさ、MIDIインターフェイスは買った方がいいよ。MIDIと音源があった方が、何回でもやり直せるから、”1拍だけ空けたい”とかいろんなパターンを作る場合便利だよ。
後藤 生ドラムの単発の音は録ってあるので、それをドラムマシンのように組み込んだら、生っぽくなると思ったんですけど。サンプラーみたいに鍵盤で1音ずつ出せたら便利だなぁと思うんですが、どうしたらいいですかねぇ。
OZA それを、やるにはサンプラーがいるんだよね。
![]() Logic専用ソフトサンプラーEXS24 |
![]() エディット画面 |
後藤 これ便利ですね。
OZA これがサンプラーの利点なんだよね。組み方とかもいろいろできるし、何でもありなんだよ。ここに、音源が沢山入っていて、ドラムの単発だけでも30セットくらい、ループは100種類は入ってると思うよ。
後藤 こういうのがやりたいんですよね。
OZA 普通は外部のサンプラーを使うんだけど、曲数が増えていくと、どの曲で、どのドラムの音を使ったか、ちゃんと管理してないと分からなくなってくるのだけど、EXS24はソングデータを立ち上げると自動的にドラムの音を読み込んでくれるから便利なんだよ。
後藤 今の時点では、デモテープを作るくらいなんですよ。だからこんな本格的なシステムまで、揃えるとなると・・・。
OZA いやっ、俺も最初はそうだったからね。元々バンドでやってたから。曲作りの時に、だんだん作り込んでいくようになって、そうしたらコンピュータの方がエディットが便利だなぁと思ったのが始まりなんだよね。だから最初から本格的なシステム!って思ってやったわけじゃないんだよ。
後藤 頭の中で鳴っている音を、人に言うのって結構難しいなと思って・・・。
OZA システムが出来て、音が全部自分で作れると、人に伝える時も楽になるよ。実は俺、シーケンサーは使ったことないんだよね。いきなりコンピュータだから。
後藤 マジすかー!もうナニがなんだか、わかんなくないですか?
OZA そう、分かんないわかんない。ソングデータも消えたこと何度もあるし。ただもう自分の頭の中に鳴ってる音を出したくて、いじりまくったって感じ。
後藤 シーケンサー使うようになって、自分の音楽のレベルが1つ2つ上ったと思うから、これがコンピュータになったら、あと1つ2つレベルが上がるかなぁと思って。
OZA 1つ2つどころじゃないよ。100は上がるよ(笑)今はシーケンサーで作ったものをそのままProTools LEに録ってるって言ってたよね。ProTools LEはMIDI使えるんだよねぇ?だったら、そのままProTools LEに録るやり方よりも、MIDIでエディットして作る方法をやった方がいいよ。例えばベースを打ち込んだ後に、キーが合わない場合とか、すぐに音を上げた下げたりとかできるから。
後藤 曲を作る時って、普通どういう順番で作っていくんですか?
OZA ウーン、ギターが最初かな。ケースバイケースだけど、ベースから作る場合もあるし、フレーズだけ作る場合もある。ギターで作るって言ってもさ、コードで作るとかじゃなくて、リフで作ったりとか。こう普通にストロークするんじゃなくて、分数コードにしちゃう時とかあるじゃない。ずーとDでいくよりも、Dステイでコードチェンジする方が、幅が広がる。歌がDだったらコードを変えていくとか。アコギの場合だったら、いろんなオブリを入れたりとか・・・。
後藤 今度ライブでアコギをやってくれって頼まれたんだけど、アコギにしようか、エレアコかどっちがいいかなと思ってるんですけど。
OZA 前にライブでアコギ弾いたけど、マイクで拾ったら結構ハウルよ。
後藤 今回はブラッシングでマラカスみたいな、パーカッション的なアプローチをしたいんですよ。
OZA それだど、なおさらマイクで拾うと良くないかも。シャカシャカした音はマイクだと拾いにくいから、ギターを必要以上にマイクに近づけてしまうので、それがハウリングの原因になるよ。だからアコギにピックアップを付けるかエレアコにするのがいいんじゃないかな。